技術情報 - LPWAについて
はじめに
LPWA (Low Power, Wide Area)とは、低消費電力、低ビットレート、広域カバレッジを特徴とする無線アクセスの分類です。
Bluetoothなどの近距離無線(数10m程度)では満たせない長距離、低速、低消費電流の無線データ通信に該当します。
LPWAの明確な定義は定まっていないようですが、以下の2つの特徴を満たしている通信ネットワークがLPWAと呼ばれています。
- 長距離データ通信
- 低消費電流
昨今のM2M(Machine to Machine)と呼ばれる機器間のデータ通信において適用する用途が多いと思われます。
最終的には、機器間で通信したデータをゲートウェイなどの親機を通じ、インターネット上のサーバ(クラウドサーバ等)に送信するような用途にも結び付けることが可能です。(IoT : Internet of Things)
組み込み系システムとこれらのモジュールを組み合わせ、機器間でのデータ通信を行いお互いに制御や連携を行うものが主な用途となっています。
特定小電力無線の種類
<免許が不要な無線>
- LoRa
- SIGFOX
- Wi-Fi HaLow
- Wi-SUN
- RPMA
- Flexnet
<免許が必要な無線>
- LTE-M
- Cat.NB1
各メーカーから種類に応じた無線モジュールが販売されています。
また、上記の種類に含まれておらず、同帯域で使用可能な無線モジュールも存在しています。
LPWAモジュールの概要
モジュールにより異なりますが、インターフェースは、UART、SPI、I2C、GPIOなどが用意されています。
また、モジュール毎に設定可能な項目も異なり、LoRa WANなど規格化されたものを除き、プロトコルも各メーカーで異なったものとなりますので基本的には、同一メーカーのモジュールを使用し、2台以上の機器を用いて、親機 - 子機(複数)などのネットワークを形成して使用するものになっています。
種類により、子機間で通信データを橋渡しし、更なる長距離通信が可能なものもあります。(マルチホップ機能)
具体的なイメージは、UARTインターフェースを用いて、メインCPUとモジュール間とで専用のプロトコル/フォーマット/コマンドを使用し、データ通信を行います。この辺りは、WiFiモジュールやGPSモジュールのような広く使われている標準的なものと変わらないです。
LPWAモジュール間の無線通信においては、アンテナが必要となります。アンテナはモジュールにより内蔵されているタイプや外付けタイプもございますので用途や筐体への収納など選定する際に注意が必要です。
実績
弊社は、LPWAモジュールを使用した以下の開発に関わった実績があります。
用途例
LPWAを含む、上記の技術を利用して、発想により下記例のようなさまざまな用途に適用できるものとされています。
<例>
- 各種センサから収集したデータをサーバに送り、Webサイト上で公開・専用アプリでの通知
- 温湿度センサによる空調のON/OFF・温度制御・管理
- 温湿度センサによる冬期の路面凍結警告/夏期の熱中症警告
開発支援ソリューションページも是非ご確認ください。